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家紋といえば高級品の代名詞のように使われています。家紋を付けるだけで、その品がオリジナルなものに変わるからです。しかも、家紋は単なる飾りではなく、その家の歴史をも語りかけているものです。つまり、家紋が付いたから高級品というよりは、高級品だからこそ家紋を付けるといった方がいいのかもしれません。
かつては、着物の喪服、礼服に限らず、様々な物に家紋がついていました。紋は名前の代わりでもあったのです。とくに戦国時代に戦場で敵、味方を区別するため背中に旗指し物を立て、そこに紋を描きました。有名なのが豊臣秀吉の千なり瓢箪です。こうしたことによって、紋章は発展していきました。
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士農工商といった身分制度の厳しかった江戸時代に、家紋を持つことができたのは武士と農民だけであったといわれます。工商つまり町民は、許可を得なければ家紋を付けることはできなかったといわれます。農民は植物に関係する家紋を持つ人が多いとされています。
家紋の種類は3000種以上はあるといわれていますが、細かく数えていけば、実際は数万種にはなるそうです。図案も単純なものから複雑なものまでありますが、デザイン的に見るといずれも完成度が高く、繊細なものとなっています。
そんな家紋を一つ一つ手で着物に描き込んでいくのです。作業は緻密で根気が必要とされます。この仕事も、戦後しばらくの間までは需要をこなせないほど忙しかったといわれていますが、近年の和服離れも手伝って、全体としての需要は大きく減少しています。 |
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家紋のワッペンなど新しいアイディアで需要の拡大 |
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家紋は単なるデザインではありません。その家にとっては文化でもあるのです。さらに着物文化を支える一つの要素となっています。その一方で、名札としての役割も持っています。紋章上絵の技術は一朝一夕にできあがるものでもありません。
この技術を絶やさないように、組合では様々な努力を重ねています。いまから15年ほど前、家紋をもっと大切にして、しかも着物以外での需要の拡大を考え、ワッペン式の家紋を考案しました。最近は、携帯電話にワッペン式の家紋を貼り、他人のものと間違えないようにしている人もいるようです。
若い人が独自の紋章をアレンジして、身の回りの小物などに付けられるようにすれば、その人の個性をさらに引き出せるようになるかもしれません。
組合としては、着物文化を守るために、伝統の上に立ちながらも、新しい発想で紋章上絵の発展を図りたいと考えています。 |
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