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機械化によって、手づくりの良さが失われつつあるといわれますが、逆に機械化したくても難しい業種もあります。あるいは一度機械化されても、業種の規模が小さくなったことによって、採算が取れないためにメーカーが生産を中止する場合もあります。洗張業もそんな職種の一つといえそうです。
洗張とは、簡単にいえば着物のクリーニングです。ただ、一般のクリーニングとは大きく異なります。着物は、基本的には丸洗いではあまり汚れがきれいに落ちないので、解いて端縫をして一枚の反物のようにします。洗うといっても、タライの中でごしごしやる訳ではありません。水の中に洗剤を入れ、その中に浸けた布地を板の上に伸ばしてブラシや竹の先を細かく割って束ねたササラなどを使い、洗剤をつけて軽くこするようにして洗います。その後は糊付けをして陰干しをします。
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きれいに乾いた布は、湯のしをして仕上げます。水に浸けた布はどうしても縮んだり、しわになったりしています。そこで、蒸気を当てて元の寸法に戻すのが湯のしです。また、湯のしだけではきれいに伸びない大島紬などは、伸子張をします。伸子針は、布の織目に合わせて2センチ間隔ぐらいで、一反に約400本を使います。
昔は、「湯のし釜」の上で布を2人で引っぱりながら蒸気を当てて伸ばしていました。それが昭和38年ころから、ローラーで布を引っぱりながら蒸気を当てる「湯のし機」が使われるようになりました。これによって、作業時間は大幅に短縮され、作業そのものも楽になりました。ところが、着物の需要が減り、洗張そのものの需要も大きく減少していきます。そうなると「湯のし機」を作るメーカーがなくなってきます。 |
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需要の減少で洗張の機械メーカーも撤退 |
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名古屋洗張業協同組合が設立された昭和28年ごろは、市内で98軒あったのが現在は19軒。今後も減ることはあっても増える可能性はあまりありません。そこで、平成11年には協同組合から、たんなる任意団体の名古屋洗張組合として再出発することになりました。しかも、現在残っている19軒中、専業で仕事を行っているのは10軒ほどしかありません。湯のし機が壊れたら、自分で修理するか、使われなくなった仲間の機械から部品をはずしてもらうことになります。
洗張の仕事は、陰干しなどを行うある程度の土地がなければできません。丸洗い可能とされる着物も、本当は洗張をした方が長持ちします。さらにここ数年は外国製の糸が着物に使われるようになり、着物にシワができやすくなっています。日本の着物文化のために、洗張はぜひとも残してほしい職業です。 |
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