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愛知県家具工業組合

 

日本の椅子そのものは平安時代から

 
 生活の洋風化というと、畳から椅子への変化ということがすぐに思い起こされます。しかし、椅子そのものは日本にも古くからありました。江戸時代には茶店などで床几(しょうぎ)と呼ばれる長椅子があり、そこで旅人が休憩したりしました。戦国時代には、陣中で武将が折りたたみ式の椅子を使っていますが、これも将几(しょうぎ)と呼ばれています。さらに正倉院には「赤漆槻木胡座(あかうるしつきのあぐら)」という椅子が残されています。このように日本における椅子の歴史をたどれば、平安時代にまでさかのぼれます。しかし、一般に椅子といえば、明治以降に広まった西洋式の椅子を指しています。
 

全国一位の生産額

 
 一口に家具といっても、椅子、箪笥、戸棚、木製ベッド、流し台など様々な種類があり、さらに家庭用の既製品、業務用の特注品、一品生産品などがあります。これらを合わせた家具の生産額は、愛知県が全国で一位を占めています。この地で家具生産が行われるようになったのは、名古屋城の築城に係った宮大工たちがそのままとどまり、木工品を作ったのが始まりとされています。
 さらに清洲を町ごと名古屋に移動したとき、一緒に移ってきた指物師(さしものし)・木挽師(きびきし)・塗師(ぬりし)・鍛冶職(かじしょく)などによって、それぞれの技術の基礎が築かれていきました。それらの家具の中でも桐箪笥は「名古屋桐箪笥」として全国に名前が知られるようになり、経済産業省の伝統的工芸品に指定されています。
 
伝統的工芸品から近代的家具まで幅広い愛知の家具
 

住宅様式の変化が家具にも影響

 
 愛知県家具工業組合は昭和45年に402名の組合員によって設立されていますが、家具には椅子、箪笥、戸棚などがあり、さらに椅子も骨組みを作る職人、布や革を張る職人などがあり、それぞれに組合があります。名古屋での椅子づくりは、主に東京で修行をして帰郷して独立したケースが多いようです。とくに大正から昭和にかけて、そうして開業した人が、その後の椅子づくりの中心となっていきました。椅子張の組合は、昭和24年に設立されています。このように、家具業界はいくつもの組織があったのです。そしてそれぞれの家具関係の組合は愛知県家具工業組合に加入します。
 愛知県の家具業界は、昭和34年の伊勢湾台風からの復興によって発展していきました。ところが、住宅様式の変化、全国的にも有名な名古屋の婚礼需要の減退などによって、手づくりを中心とする中小のメーカーが衰退しつつあります。現在、組合員は約100名。大手メーカーは機械化が進んでいます。家具づくりにおいても、技能の伝承が少しずつですが難しくなっているのです。組合では大手の経営方法を学びながら、手づくり家具の良さも残すための努力をしています。
 

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