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名古屋木型工業協同組合

 

大量生産を可能にする手づくりの技

 
 私たちの身の回りには、多くの大量生産品があふれています。これらの大量生産品も、手づくりによって生み出されているなどというと、ちょっと信じられないかもしれません。しかし、大量生産を可能にするには、同じものを何個も作り出せる型が必要です。その型を作るための型も必要です。それが木型です。
 最初に木型を作り、その周りを砂などで固め、木型を抜いたあとに金属を流し込んで金型を作るのです。最近は、木の代わりに発泡スチロールや樹脂が使われることも多くなっていますが、原理としてはいまも昔も同じです。
 木型で和菓子などの型を作る場合もありますが、やはり多いのは工業製品です。大きいものでは加工する工作物を載せるテーブルといわれるものなど10メートル近い長さのものから、小さいものでは人の手の親指ほどの大きさのものまであり、10分の2ミリという精度で作られます。それもノコギリ、ノミ、カンナだけで作り出すのです。
 

木を知りつくしたいい木型

 
 木は湿度や温度によって伸び縮みします。タンスの引き出しが、乾燥した日にはスムーズに開いても、雨の日には固く締まるのと同じです。しかし、精度が要求される木型には、天候によって左右されるものを作ることは許されません。木を知らなければいい木型はできないのです。木材の種類はもちろんのこと、その木がどんな場所でどのような状態で生えていたのかも見分ける目が必要です。
 かつては木曽で伐採されたヒノキやヒメコマツなどが使われていましたが、現在では、主に外材のベニマツなどが使われています。さらにNC機械などの導入も図られていますが、実際に導入されている工場の比率はまだまだ少ないのが現状です。
 
見えないけれど現代の暮らしを根底で支えている業種
 

伊勢湾台風が組合設立のきっかけ

 
 和菓子の型にも使われていたように、木型そのものの歴史はかなり古くからありました。しかし、現在の職種としては、大手企業で木型づくりをしていた職人が独立して会社を起こした場合が多いようです。組合も昭和初期には設立されていたようですが、戦争によって一時は完全に姿を消しました。
 それが昭和34年の伊勢湾台風のとき、関東の業者から名古屋の同業者へお見舞が届き、それを分けるために集まったのがきっかけとなり、39年にいまの組合が設立されました。当時は170社ほどありましたが、現在では63社にまで減少しています。
 木はエコマテリアルといわれるように、環境への負荷がもっとも少ない素材です。時代の変化にともない、木型の素材は変わるかもしれませんが、多くの工業製品を作るには必要不可欠な分野です。業種の形態も変化していくのかもしれませんが、そうした時代の変化に対応していくためにも、組合の存在意義はむしろ高まっているといえます。
 

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