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同じような形状の桶と樽ですが、両者の違いを知っている人は意外に少ないようです。一番の違いは樽は板目を使い、桶は柾目(まさめ)を使っていることです。柾目は年輪に対して直角にとられた板で、適度な通気性をもっています。木目がきれいに揃い、調度品としての美しさを誇ります。一方、板目は年輪に対して平行にとられた板で、水が漏れない性質をもっています。酒や味噌を作るときに使われるのは水が漏れない樽で、寿司を入れる桶やお米を入れるお櫃(ひつ)は適度な通気性のおかげで、べとつくことなく保存できます。炊いたご飯をお櫃に移し代えておくだけで、非常においしくなると言われています。
桶を作る木材の種類によって、品質も当然変わってきます。名古屋は、昔から木曽五木の一つとされているサワラが桶の材料として多く使われてきました。ヒノキは油分が多く、香りが強すぎるため、食品を入れる器としては適さないのです。もちろん、用途によってはヒノキやマキも使われています。
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かつて、堀川沿いには多くの材木問屋がありました。木曽の豊富な木材のおかげです。そのため名古屋では木工製品を作る様々な業種が発達しました。しかも、それぞれが優れた技術力を持っていました。明治には桶と樽それぞれの組合があったということですが、現在では一つにまとまっています。
また、名古屋の桶づくりは、全国でもっとも優れた技術と仕上がりの良さで知られ、昭和の初期ころまで、全国の桶づくりを指導していました。当時、名古屋の桶屋は200軒以上はあったといわれています。
タライ、お櫃、風呂場の手桶など、桶はもともと日用品として使われていました。ところが、戦後しばらくして金ダライが普及し、やがてプラスチック製品に取って替わられます。さらに材料となる木材が高騰していきます。平成元年には白鳥にあった貯木場もなくなりました。こうした時代の変化に伴い、桶の需要も急激に減少し、現在の組合員は6社となってしまいました。 |
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木曾の五木を使った最高級の日用品 |
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手づくりの桶は、材木を半年以上も自然乾燥させ、製品となってから狂いがでないように作られます。一方、外国産の木材を使い、機械で作られた桶も売られています。いまや桶のうち、90%は機械生産されたものとなっています。
しかし、丈夫さや使い勝手の良さは、手づくりによる桶にはかないません。手づくりの桶は、プラスチック製品より環境に優しく、公害もなく、廃棄処分となった場合も元の自然に還るだけで、環境への悪影響はありません。伝統の技と同時に環境問題などを考えたとき、手づくりの木桶の良さを認識することが大切な時代となっています。
組合としても、300年以上続いた伝統技法をアピールし、桶産業発展のため、努力していきます。
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