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人類の歴史を道具の使用という観点から眺めると、石器の時代と金属の時代に大きく分けられます。これまでの何万年という人類の歴史の中で石器時代は非常に長く、それに比べ、金属の時代は始まってまだそれほどの時間は経ってはいないのです。さらに、金属の時代も青銅器の時代と鉄器の時代とに分けられます。
青銅とは銅と錫(すず)の合金で、今から5000年程前から使われ出しています。日本でも銅鐸(どうたく)、銅鉾(どうほこ)をはじめ、装身具から銭などまでさまざまなものが作られてきました。奈良東大寺の大仏やお寺の梵鐘(ぼんしょう)なども青銅で作られています。
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銅合金は銅を主体として他の金属を混ぜた金属のことで、製品の用途などにより、混ぜるのは必ずしも錫には限りません。そして銅合金を鋳造(ちゅうぞう)して作られたものが銅合金鋳物(いもの)です。製品としては身の回りの飾りものから、産業機械、電機通信機器、バルブ、水道金具、船舶部品など多岐にわたります。
ところで、鋳物製品は、鋳型を作り、その中へ「湯」と呼ばれる溶けた金属を流し込んで作ります。まず、粘土や木などを使い、製品と全く同じ模型を作ります。これを固めた砂に転写し、そこへ溶けた銅合金を流し込むのです。
産業革命が起きたとき、多くの機械はこうして作られ、いまも受け継がれています。鋳造はまさにものづくりの原点であると同時に、現代産業を支えているのです。銅合金鋳物は、たたいたり延ばしたりしないため、出来上がった製品に、無理な歪(ひず)みがありません。梵鐘が澄んだ音色を響かせるのも、鋳物で作られているからでしょうか。
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銅鐸から最先端の電気通信機器まで |
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鋳物づくりも、いまはかなりの工程が機械生産されるようになりました。作業もそれだけ楽になったとはいえ、千数百度の溶けた銅合金を扱うのは大変な作業です。かつては鋳物を流し込む梵鐘の鋳型を作るのに、梵鐘そのものの模型を作るのではなく、中心から外側へ向けて梵鐘の一部を縦に切ったようなものを作り、棒をつけて回すことによって鋳型を作る「引き型(廻し型ともいう)」という方法も使っていました。しかし、こうした技術はいまでは見られなくなりました。
愛知県銅合金鋳物工業協同組合が設立されたのは昭和26年、当時もいまも貴重な銅や銅合金の共同購入や組合員のための資金調達などを行ってきました。設立時に31社あった組合員は14社と減少していますが、組合の持つ役割は現在も変わっていません。もちろん、電気伝導度、熱伝導度、非磁性がよく、低温脆性(ぜいせい)のないこと、耐食性、耐摩耗性、被削性(ひさくせい)など優れた特性を備えた銅合金鋳物の役割は、今後とも変わることはないでしょう。
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