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愛知県麺類食堂生活衛生同業組合

 

大正末期からあった麺類食堂の組合

 
 「生活衛生同業組合」の名前を冠した組合は、他にもあります。昭和32年に制定された「環境衛生関係営業の適正化に関する法律」に従って作られた組合だということです。国民の生活衛生を守り、業者の衛生思想を向上させることを目的とした法律です。同組合は昭和33年に設立され、平成13年1月6日の法改正によって名称の一部が「環境衛生」から「生活衛生」に変わりました。ところが、この法律はあくまでも生活衛生を中心としたもので、業界の振興については触れられてはいませんでした。
 しかし、法律によって組合が設立される前の大正末期頃から、任意の団体として麺類食堂の組合はありました。うどんやそばは、もともと店で打って出すのが基本です。手打ちの製麺技術を守るといったことも、組合としての重要な活動の一つであったのです。
 

うどんの善し悪しを決める塩加減

 
 名古屋は昔から手打ちうどんが有名です。理由として、尾張地方にはうどんに適した小麦粉が生産されたこと、ダシとしてムロアジの薫製と、この地方独特の味の濃いタマリが使われてきたことが挙げられます。さらに名古屋のうどんを有名にしているのが「きしめん」です。きしめんの由来については、具にキジの肉を入れたからとか、紀州出身のうどん屋が売っていたなどと諸説がありますが、元は室町時代の点心の一種であった「けしめん」が訛り、それが平打ちのうどんと結び付いて「きしめん」と呼ばれるようになったようです。
 うどんは小麦粉に塩水を入れてよく練り上げ、それを延ばして切りますが、この時の塩加減がうどんの善し悪しを決めるとされています。ところが、塩水の濃度はそのときどきの気温や湿度によって常に変化させなければなりません。そこで、手打ちうどんを作るとき、昔は親方から「土三寒六」と教えられてきたそうです。塩1に対し、「土」つまり土用(夏)は水3、「寒」つまり冬場は水6の割合にするということです。さらにその日の気温や湿度によって微妙に塩分の調整が行われていました。微妙な塩分を計るには、塩水に生卵を入れて沈み具合で見たとも言われています。
 
名古屋の気候風土が生み出した「土三寒六」の麺打ち技術
 

本物の味を守るための活動

 
 こうした伝統的製法を残し伝える一方で、組合としてはさまざまな活動にも取り組んでいます。うどんやそばの原料は、多くが海外からの輸入に頼り、そばの場合は約60%が内モンゴルからの輸入です。そこで内モンゴルとの交流や、あるいは日本の子供に小さい頃からそばに興味を持ってもらおうと、希望する小学校へのそばの種の配布、手打ちそば教室の開催なども行っています。そして、価格競争や大量販売に対しても生き残れる体質をつくりだすため、本物の味を大切にする「そばの品質保証制度」による営業促進活動にも努力しています。
 

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